第66号

ソーシャルメディアの設計に責任を問うた陪審評決

Meta・Googleに対する600万ドル賠償評決の意味と限界、製品チームが設計過程で確認すべき点をまとめました。

ビジネスソーシャルメディアの設計に責任を問うた陪審評決

MetaとGoogleに600万ドルの賠償を命じた評決

2026年3月25日、ロサンゼルス高等裁判所の陪審員団がMetaとGoogleに合計600万ドルの賠償を命じる評決を下しました。6歳のときにYouTubeを、9歳のときにInstagramを使い始めた20歳の女性は、両サービスの設計が自身の精神的健康に被害を与えたと主張しました。陪審員団は設計・運営上の過失と、リスクを十分に告知しなかった責任を認めました。

その前日の3月24日には、ニューメキシコ州の陪審員団が別の消費者保護訴訟でMetaに3億7,500万ドルの民事制裁金を科す評決を下しました。プラットフォームの安全性について消費者を誤導したという州法務省の主張が認められた事件です。個人の被害に対するLA事件の損害賠償とは性質が異なります。

今回のLA事件は、製品設計に対する責任を実際に陪審員団が認めたという点で注目に値します。ただし、この評決によってSection 230が改正されたり、すべてのプラットフォームの免責が消えたりしたわけではありません。 両社は控訴する意向を明らかにしました。どのような設計にどのような責任を問えるのかは、今後も争われる問題です。

Section 230は他人が投稿した情報の責任を扱う規定

Section 2301は、1996年に制定された米国通信品位法の条項です。中核となる規定は、インターネットサービス提供者や利用者を、他の情報提供者が作成した情報の発行者または発言者として扱うことを禁じています。利用者が書き込んだ内容を理由にプラットフォームへ発行者としての責任を問う請求を制限してきた根拠です。

この規定は、インターネットサービスが第三者の投稿を扱う際に負う法的責任を軽減してきました。だからといって、プラットフォーム自身のあらゆる行動を保護する包括的な免責ではありません。法には連邦刑事法や知的財産など関連する例外も存在します。

InstagramとYouTubeは、投稿を保存する機能のほかにも、レコメンド、自動再生、通知といった機能を運用しています。訴訟では、こうした機能に関する請求が第三者コンテンツの発行責任を問うものなのか、会社自身の設計と運営を問題にするものなのかが争点になります。

プラットフォーム企業はSection 230や修正憲法第1条の表現の自由などを根拠に訴訟を防御してきました。それぞれ異なる法的根拠であるため、Section 230が適用されない請求であっても、表現の自由や過失・因果関係に関する判断は残り得ます。

「製品の欠陥」と呼びさえすれば免責を回避できるわけでもありません。2017年に提起されたHerrick v. Grindr事件で、原告はなりすましプロフィールを防ぐ安全機能が不足していると主張しました。2018年、連邦地方裁判所は当該の製造物責任請求などが結局は他の利用者が作成したコンテンツの責任を問うものだとみなし、Section 230を適用しました。