BYDの5分充電、実際に使うには何が必要でしょうか
BYDの5分充電には、対応するバッテリーと充電器、電力設備が必要です。電気自動車に乗りながら感じた待ち時間と、CATLの異なるアプローチを一緒に見てみました。
ビジネス電気自動車に乗る人にとって5分充電がうれしい理由
電気自動車に乗っていると、充電が終わるまでの待ち時間が気になります。そのため、BYDの「5分充電」発表が目に留まりました。ガソリンを入れるときと同じくらいの時間で済むなら、長距離移動時の負担も減りそうだと思ったからです。
2026年3月5日にBYDが公開したのは、ブレードバッテリー2.0と最大1,500kW1のフラッシュ充電器です。同社が発表した充電時間はバッテリー残量10%から70%まで5分、10%から97%まで9分です。氷点下30度では20%から97%まで12分かかると明らかにしました。
私が乗っているテスラ モデルYと、以前乗っていたアイオニック5のことを思い出しました。私の経験では、アイオニック5の急速充電に約40分、テスラのスーパーチャージャーでは約20分待ちました。これは当時私が利用した条件でかかった時間であり、両車種の公式な充電性能を比較した数値ではありません。その経験があったからこそ、5~10分で充電を終えられるという発表がなおさらうれしく感じられました。
ただし、充電時間は開始時のバッテリー残量、目標残量、気温、車種によって変わります。充電器の最大出力が何倍高いからといって、充電も常にその分速くなるわけではありません。BYDは何を変えたのか、そして運転者がこの速度を享受するにはどのような条件が整う必要があるのでしょうか。
内容が複雑で、私も何度も書いては消しました。バッテリー構造から充電ステーションの設備、米国市場の状況まで、順番に見ていきます。
バッテリーと充電ステーションを一緒に変えました

充電器が大きな電力を送っても、バッテリーが受け入れられなければ速度は制限されます。BYDはバッテリー内部のイオン移動を速くし、車両と充電器が高い電力を処理できるよう設計しました。充電ステーションには電力を蓄えるバッテリーも併設しています。
ブレードバッテリー2.0はLFP、リン酸鉄リチウム2バッテリーです。BYDの説明によると、正極材3の粒子構造を変え、電解質4のイオン伝導度を高め、負極材5にイオンが入り込む構造を改善したとのことです。充電時にリチウムイオンがより速く移動することで、内部抵抗と発熱を減らそうとする設計です。
同社は、充電速度を高めながらエネルギー密度6も前世代より5%改善したと明らかにしました。これを適用した車両では、中国のCLTC試験7基準で1,000km以上の航続距離を提示しています。一部報道はマンガンを加えたLMFPだと説明しましたが、BYDの今回の公式発表ではLFPと明記されています。
充電器は、中国向け仕様でコネクタ1本につき最大1,500kWを供給します。ケーブルはT字型の柱の上に吊り下げられています。レールと滑車で動くため、床に引きずることなく、車の充電口の位置に合わせて接続できます。速い充電と同時に、重いケーブルを扱う不便さも減らそうとする設計です。
私が興味深く見た部分は、充電ステーションのESS、エネルギー貯蔵システム8です。電力網から電気を受け取ってバッテリーに蓄えておき、車が充電する際に一緒に供給します。充電の瞬間に必要な大きな電力をすべて電力網から引き出さなくても済むわけです。ただし、蓄えた電力を使い切れば再び満たす必要があります。車両が絶えず集まる場所では、電力網の容量と貯蔵装置の大きさも十分でなければなりません。