第14号

ペンタゴン・ピザ理論の検証で最初に確認すべきデータ

ピザ店の混雑度で軍事作戦を予測できるのでしょうか。公開された検証を読みながら、データ分析を教える立場から測定対象と比較方法の限界を考えてみました。

社会ペンタゴン・ピザ理論の検証で最初に確認すべきデータ

ピザ店が忙しければ軍事作戦が近づいているのでしょうか

ペンタゴン周辺のピザ店がいつもより忙しくなると、軍事作戦が近づいているという話があります。国防総省の職員が残業をしながらピザを注文するはずだという推測から生まれた「ペンタゴン・ピザ理論」です。

話自体は理解しやすいものです。しかし残業が増えたかどうかを直接見たわけでもなく、ピザを注文した人が誰なのかを知っているわけでもありません。ピザ店の活動から軍事作戦を推測するには、その間のつながりが正しいのかを確認する必要があります。

私はデータ分析を教え、自ら実践してきた立場からこの事例が興味深く感じられました。説明がもっともらしく聞こえることと、実際に予測に使えることは違うという点を示しているからです。

今見ているデータは注文量ではありません

XのPentagon Pizza Reportは、Googleマップに表示されるペンタゴン付近の店舗の活動を伝えています。Googleの説明によれば、混雑度は位置情報の記録に同意した利用者の訪問データを匿名化し、集約して推定されます。リアルタイムの活動は、普段の訪問レベルと比較して表示されます。ピザの注文件数や売上を集計した資料ではありません。Googleの訪問データに関する説明

したがって、店舗が忙しいという事実だけで、ペンタゴン職員の配達注文が増えたと解釈することはできません。周辺の住民や他の職場からの来店である可能性もありますし、配達注文が増えたとしても、訪問データに同じ比率で表れるという保証もありません。

元米国防総省アナリストのマルセル・プリヒタも、どの店舗を指標に含めるかが一貫しておらず、周辺の他の需要と区別することが難しいという問題を指摘しています。プリヒタの分析

私がまず確認したいのもこの部分です。指標の名前が「ピザ指数」だからといって、注文量を測定しているわけではありません。データが実際に何を記録しているのかから知る必要があります。