第4号

AIツールを学びながら、良い結果を選ぶ基準も育てましょう

講義で、AI時代に何をすべきかという質問をよく受けます。ツールの使い方とともに、何が良いかを判断し、その理由を説明する能力に注目しています。

社会AIツールを学びながら、良い結果を選ぶ基準も育てましょう

講義でよく受ける質問

最近、講義に出向くと、大学生や青少年、企業の社員から役員まで、似たような質問をされます。

「AIができることがこんなに増えているのに、では私たちは何をすればいいのでしょうか?」

基礎を身につけるとか、AIツールの使い方を学ぶといった答えをよく耳にします。必要なことではありますが、私はそれだけでは足りないと思います。どんな結果を作りたいのか、出てきた結果の中で何が良いのかを判断できなければならないからです。

私が強調したいのは、美的感覚、あるいは好みです。ここで言うのは、単に好きなジャンルを指すのではありません。良い点と足りない点を見抜き、何を選ぶかを決め、その理由を説明する能力のことです。

ツールの使い方の先に残る判断

新しいツールが出るたびに、使い方を覚えるのに時間がかかります。その学びが自分の作業の改善に生かされればよいのですが、ツールの機能はたくさん知っていても、肝心の何を作るかが定まっていなければ、使い方をさらに学ぶだけでは解決しにくいものです。

AIで画像を作る場合を考えてみましょう。特定の画風の名前を入力する方法はすぐに覚えられます。しかし、その画風のどんな特徴が今回の作業に合うのか、結果の中で何を変えるべきかは、また別の問題です。

文章も同じです。文章が滑らかにつながっているからといって、良い説明になるとは限りません。読者が知っておくべき内容が抜けていたり、かっこよく聞こえても意味があいまいな文があったりします。結果を受け取った人が、そうした部分を見抜かなければなりません。

好みを育てるのに時間が必要だと言う理由がここにあります。数多くの作品や成果物を見て、比較し、自分の判断を修正していく過程が積み重なる必要があるからです。他の人から学ぶことも、その過程の一部です。