第5号

自己啓発から学んだこと、実際にどれだけ実践しましたか

創業者を審査し、GTM戦略を共に練る中で、同じくらい努力しても結果は違いました。成功談を学ぶことと、直接実行しながら判断力を育てることの違いについて考えてみました。

社会自己啓発から学んだこと、実際にどれだけ実践しましたか

一生懸命やったという事実だけでは結果を説明できませんでした

私が直接審査し、共に働き、数年間見守ってきた創業者の中には、自分の仕事に本気で没頭している方が多くいました。ですが、一生懸命であるという点は似ていても、結果は違いました。うまくいかなかったことを努力不足だけで説明するのは難しかったのです。

だから、成功した人の一日のルーティンを真似すれば同じ結果を得られるという話には、すんなり同意しづらいのです。早起きして本を読む習慣は役に立つかもしれません。しかし、どんな顧客に会い、どんな判断をし、いつ機会が訪れたかまで、その習慣一つで説明することはできません。

自己啓発コンテンツを見るときも、この違いを考えさせられます。成功した人が何をしたかを知ることと、自分が置かれた状況で何をすべきかを決めることは、別のことだからです。

成功談から何を学ぶか

ジェンスン・フアンの話も、一日のルーティンよりも実際の意思決定を掘り下げたほうが学べることが多いと思います。

2024年のTiEconで彼と対談したMayfieldの記録には、Nvidiaが初期の重要な技術選択を変えた話が出てきます。フアンは、前提が変わったのなら考えも変えるべきだという趣旨で説明しました。すでに選んだ技術よりも、会社の目的を優先した決定だったのです。Mayfieldの対談記録

こうした事例で私が気になるのは、当時何を誤って判断していたのか、どんな事実を見て考えを変えたのかということです。同じ時間に起きたり同じ本を読んだりしたところで、その判断をそのまま再現することはできませんから。

成功談には、すでに結果を知って振り返る人の説明が含まれています。当時は複数の選択肢があり、結果はわからなかったはずです。他人の経験から学びつつ、その説明を自分の成功まで保証する公式として受け取ってはいけません。