第104号

OpenClawの検索関心と使用量を分けて見るべき理由

検索関心が減ったというグラフだけで、利用者が離れたと判断できるのでしょうか。OpenRouterの集計と、実際にツールを使ってみた経験を合わせて見てみました。

ビジネスOpenClawの検索関心と使用量を分けて見るべき理由

OpenClawを検索する関心が減っています

2026年3月にお届けしたニュースレターで、中国を席巻した「ザリガニ・ブーム」を取り上げました。OpenClawというオープンソースAIエージェントがテンセント本社前に人々の行列をつくり、クラウドやメッセンジャー各社の関心を集めたという話でした。

2カ月が経った今、Google Trendsで見るOpenClawの検索関心は、ピーク時より低下しています。

上のグラフでは、openclawの検索関心指数が最高値の100から、最後の区間では約12まで下がっています。指数としては約88%の下落です。この値は選択した期間・地域における相対的な検索関心であり、検索件数や利用者数ではありません。Googleの説明にあるように、検索全体に占める比重を0〜100に換算した値です。

検索関心が下がったという事実と、人々がそのツールを使わなくなったという判断は区別する必要があります。すでにインストールした人は、名前を再検索せずに使い続けられますし、検索しただけの人は最初から利用者ではなかった可能性もあるからです。

四つの検索語のグラフが示すもの

上の画面は、全世界・過去1年間・ウェブ検索の条件で、openclaw、hermes agent、nemoclaw、agent aiを比較したものです。比較対象に入れた語によって、見え方も変わり得ます。

青い線のopenclawは急激に上昇してから下降し、期間平均は16と表示されます。赤い線のhermes agentの平均は1、黄色い線のnemoclawは0です。**0は検索が全くなかったという意味ではありません。**相対的な規模が小さい場合や、十分なデータがない場合にこう表示されることがあります。

緑の線のagent aiの期間平均は17です。この線も期間中に上下し、後半には上がってから下がる様子が見られます。OpenClawとは上昇幅が異なりますが、1年間ずっと一定だったとは言い難いです。

ここには、性質の異なる検索語が混在しています。OpenClawは個別のツール名であり、agent aiはより広い概念を探すときに使える表現です。

だからといって、agent aiひとつをAIエージェント市場全体の検索関心として見ることはできません。人々はAI agent、AIエージェント、あるいは他の製品名でも検索するからです。このグラフで確認できるのは、選んだ四つの表現の相対的な変化です。

Hermes Agentは、Nous Researchが開発した別のオープンソースエージェントです。NemoClawは、NvidiaがOpenClawを実行・管理するために提供しているソフトウェアです。検索関心が小さいという理由だけで、両者を失敗した模倣品としてまとめるのも適切ではありません。