81,000人に聞いた。「AIに何をしてほしいですか?」
Claudeユーザー8万人余りは、AIによって仕事をうまくこなし、学び、休む時間を得たいと答えました。同じ人の回答に恩恵と懸念が同時に現れた理由を見ていきます。
AI・テック81,000人がAIに望むと答えたこと
誰かに「AIに何をしてほしいですか?」と聞かれたら、皆さんは何と答えますか?
私はまず、メールの分類や報告書の下書き作成といった業務を思い浮かべます。Anthropicが2026年3月18日に公開したインタビュー調査でも、「より意味のある仕事をうまくこなしたい」という願いが最大のカテゴリーでした。ところが個々の回答を読んでみると、業務を早く終えた後の話が目に留まりました。母親と料理する時間、本を読む余裕を望む人たちがいたからです。
研究チームは2025年12月の1週間に集めたインタビューのうち、80,508件を分析しました。回答者は159カ国から70の言語で回答しました。全員がインタビューに志願したClaudeユーザーであることを念頭に置きつつ、この大規模な定性研究1が何を示しているのか見ていきましょう。
回答の順位とフォローアップ質問から見えた理由
研究チームは「AIが何でもしてくれるとしたら、何を望みますか?」という質問に対する自由回答を分類しました。回答者ごとに最も中心となる願いを一つ選び、以下のカテゴリーに当てはめた結果です。回答者が下記の選択肢に直接投票した順位ではありません。
- より意味のある仕事をうまくこなすこと — 18.8%:反復業務を減らし、重要な仕事に集中すること
- 個人的な変化 — 13.7%:助言や情緒的サポートを受けながら自分を変えること
- 日常管理 — 13.5%:スケジュールとタスクを整理し、負担を減らすこと
- 自由に使える時間 — 11.1%:家族、趣味、休息のための時間を得ること
- 経済的独立 — 9.7%:収入と経済的安定を確保すること
- 社会の変化 — 9.4%:病気、貧困、気候問題を解決すること
- 起業 — 8.7%:少人数で事業を始めて運営すること
- 学習と成長 — 8.4%:自分に合った教育を受け、知りたいことを学ぶこと
- 創作 — 5.6%:表現したかったものを自らつくること
Anthropic Interviewer2は回答に応じて理由をさらに尋ねました。コロンビアのあるオフィスワーカーの回答者は、AIのおかげで仕事を効率的に片づけられるようになり、先週の火曜日は残った仕事をする代わりに母親と料理ができたと語りました。日本のあるフリーランサーは、顧客対応に費やす精神的エネルギーを減らして、もっと本を読みたいと話しました。「仕事をうまくこなしたい」という言葉には、こうした個人的な理由が込められていたのです。
私はこの回答を、顧客に製品をどう説明するかという問題として読みました。顧客が報告書の下書きを早く作りたいと言うなら、その時間が短縮されたときに何が良くなるのかも尋ねられます。他の重要な業務に集中したい人と、定時に退社したい人とでは、同じ機能でも価値が違ってくるはずです。すべてのユーザーの目的が家族と過ごす時間だと決めつけることはできませんが、機能を求める理由まで聞き取るところに、このインタビューの意義があります。
研究チームが願いをより大きくまとめて説明した結果も似ています。約3分の1は時間・お金・精神的な余裕を望み、約4分の1はより充実した仕事を、約5分の1は学習と個人的な成長を望みました。仕事を減らしたいという回答と、仕事をもっとうまくやりたいという回答が同居しているわけです。