ゲーマーに管制官への応募を勧めるFAA、採用後こそが課題
ゲーム経験を強調したFAAの採用広報と、航空管制官不足の背景を見ていきます
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Xboxのロゴから始まる政府の採用広告
米国運輸省が、ゲーム画面を活用した航空管制官の採用広告を公開しました。ゲームで培った集中力と空間感覚を新しい仕事に生かしてみてほしい、というメッセージです。
米国連邦航空局(FAA)の管制官1採用では、大学の学位は必須ではありません。ただし、適性検査と医療・セキュリティ審査、専門訓練に合格する必要があります。採用案内では、アカデミー卒業後3年以内に資格を取得した管制官の平均年収は15万5,000ドルを超えると紹介されています。入社直後から保証される初任給ではありません。
今回のキャンペーンは、長く続いてきた管制官の人手不足に対応しようとする試みです。応募対象を広げる広報が、実際の現場の人員増加につながるためには何が必要なのか、見ていきたいと思います。
ゲーマーを応募対象にした理由

FAAがゲーム経験に期待する能力は、複数の状況を同時に把握すること、空間を把握すること、戦略を立てて問題を解決することです。管制業務にもこうした能力が必要だという説明です。ゲームの経験が応募の動機になり得るとしても、実際の業務適性は別途の選抜・訓練過程で確認する必要があります。
米国運輸省の4月10日の発表には、一部の管制官が退職面談で、ゲーム経験が素早い判断や集中力、複雑な状況の管理に役立ったと答えたという内容があります。これは当事者の体験談です。ゲームをすることで管制業務の能力がどれだけ向上するのかを実証した実験結果ではありません。
運輸省によると、管制官のうち従来型の大学の学位を持つ人は約25%です。大学進学以外の道を選んだ若者にも応募を勧められるということです。ゲームを楽しむ人が多い分、彼らが慣れ親しんだ画面や表現を広告に活用したと見ることができます。
FAAは2021年にも「Level Up」キャンペーンで、ゲーマーを含む多様な応募者に管制業務を周知しました。今回が初めて学位要件をなくした採用だと見るよりも、既存の応募経路をゲームユーザーに改めて積極的に知らせる広報に近いものです。