AIで作業が速くなった後、組織の成果を確認する方法
1979年のオフィスオートメーションとAI導入事例を通じて、作業速度、生産性、組織変化の関係を見てみます
社会1979年にもテレワークが語られていました
1979年12月11日、BBCの時事番組『Nationwide』は、ワードプロセッサーと通信網がオフィスをどのように変えるかを取り上げました。BBCがアーカイブで公開した映像には、ブラッドフォード市議会の文書処理業務と、自宅で働くプログラマーが登場します。
この映像は、紙の文書を減らし、電話回線でデータをやり取りすれば出勤しなくても事務業務ができるという可能性を紹介しています。
2026年にはAIエージェントがコードや報告書、メールを処理できるという話を耳にします。道具もできることも変わりましたが、新しい技術で業務時間を減らそうという期待には既視感があります。私はこの二つの時代を比較しながら、個々の作業で節約した時間が組織の成果にどうつながるのかを考えるようになりました。
この連関を見るには、技術の性能だけでなく、仕事の配分、レビューと承認の手続き、成果測定の方法まで見ていく必要があります。
文書処理とテレワークの初期事例
映像は、ブラッドフォード市議会が1977年に導入したワードプロセッサーシステムの効果を紹介しています。当該業務に必要な人員を減らし、生産性を40%高めたという説明が出てきます。繰り返し発生する書簡を標準書式にまとめ、保存した内容を使い回す方式です。これを市議会全体の人員を半分に削減したという意味に広げて読んではいけません。
テレワークの事例としてはFインターナショナルが登場します。600人を超えるフリーランサーが自宅でプログラミングする方式を紹介し、プログラムを書いて電話回線で送信する様子を映し出します。今では当たり前に感じるリモート協業を、当時すでに試みていたわけです。
フランスの家庭用情報端末普及構想も、同時代の変化のひとつです。紙の電話帳を電子サービスに置き換えようという計画でした。ただし、1979年の時点ですでに3,000万台が普及していたわけではありません。フランス議会の後年の資料を見ると、実際のミニテル端末数は1990年代になっても数百万台の水準でした。
映像は、自宅で働く方式が家族生活を変え得るという展望も扱っています。働く場所が自由になるという期待と、技術が生活を画一化しかねないという懸念が、あわせて登場します。
ペーパーレスオフィス、テレワーク、管理業務の変化は、当時からすでに議論されていたテーマでした。ただし、当時の展望と実際に定着した変化は区別して見る必要があります。