EU、TikTokの無限スクロール・自動再生をDSA違反と予備判定
EUのTikTokに対する予備判断は、過度な利用を誘発する機能とリスク緩和措置を扱います。利用者の統制権とAIパーソナライゼーションの規制範囲を、データ専門家の視点から見ていきます。
AI・テックEUが問題視したTikTokの利用方式
2026年2月6日、欧州委員会はTikTokの中毒性設計がデジタルサービス法(DSA)に違反したとの予備判断を下しました。無限スクロール、自動再生、プッシュ通知、高度にパーソナライズされたレコメンドシステムを問題として指摘しました。最終的な違反決定や制裁金の賦課が確定した段階ではありません。
私が注目したのは、利用者がどの動画を見るかだけでなく、見続けさせる仕組みまで企業の責任として扱っている点です。以前書いた成人ADHDと生活環境に関する記事でも周囲の環境を見ましたが、今回はアプリを作る企業の設計上の選択を問うています。アプリの利用とADHDを同じ問題として見ようという意味ではありません。
こうした機能はTikTokだけのものではありません。ほかのソーシャルメディアも次のコンテンツを推薦し、通知で再訪問を促します。そのため私は、今回の判断がTikTokを超えてほかのパーソナライズドサービスにどのような基準で適用されるのか気になりました。
次のコンテンツを見続けさせる設計
無限スクロールは、画面をスクロールするたびにコンテンツが追加される方式です。次のページボタンを押す必要がなく便利ですが、一つのページを読み終えたという終了地点も消えてしまいます。自動再生は次の動画を選ぶという動作まで省いてくれます。
製品設計について書いてきたニール・イヤールは、無限スクロールの魅力を、次に何か面白いものが出てくるかもしれないという期待と結びつけて説明しました。もっと見るかどうかを決めるのに要する手間は小さく、次のコンテンツを発見する機会は絶えず与えられるというわけです。
これをスロットマシンに例えることもありますが、フィードを見る行動とギャンブルは完全に同じものではありません。すべての利用者に同じ反応が現れるとも言えません。設計を理解するために必要なのは、比喩よりも具体的な動作です。次の動画がいつ始まるのか、止めるには何をすべきか、アプリを閉じた後どんな通知が来るのかを見ればよいのです。
欧州委員会は、TikTokがこうした機能のリスクを十分に評価していなかったという予備的な立場です。特に未成年者の夜間利用やアプリを開く頻度など、過度な利用を示しうる指標を適切に考慮していなかったと見ています。社内のリスク評価やデータ、科学研究、専門家の意見などを検討した結果だと説明しています。